3月3日 予算特別委員会

○委員長(田中邦友) 
 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、順次質疑を承ります。
 次に、新しいすみだの質疑を行います。

◆委員(井上ノエミ) 
 新しいすみだの井上ノエミです。今日もよろしくお願いいたします。
 163ページの児童福祉費に関連して伺います。
 特に保育園にも幼稚園にも行っていない無園児についてお伺いします。
 資料14に墨田区の保育園と幼稚園に通っている子どもの数が出ています。令和2年の5歳児ですが、住民基本台帳では1,947人います。認可保育園に通っている子どもが1,157人います。区立幼稚園に通っている子どもが138人います。私立幼稚園に通っている子どもは395人です。保育園、区立と私立の幼稚園の子どもの数を合わせると1,690人です。そのほかの子どもは区外の私立幼稚園や認可外の施設に通っている場合が多いと思われますが、一部には幼稚園にも保育園にも行かない無園児がいます。実は最近、この無園児の問題が注目されています。
 そこで伺いますが、墨田区として保育園にも幼稚園にも行かない子どもたちの存在についてどのように認識しているのか伺います。

◎子ども施設課長(高橋淳一) 
 委員からご指摘いただきましたとおり、5歳児のほとんどは保育園ないし幼稚園などの施設を利用されていると思います。ただ、一方でいわゆる未就園児となっている子どもも一定数いるものと、このように認識してございます。


◆委員(井上ノエミ) 
 無園児である理由はいろいろあると思います。北里大学の調査によると、障害児、低所得世帯や外国人世帯などの子どもたちに無園児が多いようです。現在は保育園や幼稚園は無料で行けますが、それでも無園児になるのは、保育料以外の費用を払えないとか、親がメンタルヘルスの問題を抱えて、入園手続や通園ができないなどの理由もあると思います。また、虐待事件で亡くなった子どもたちにも無園児が多いようです。
 このように、無園児は非常にハイリスクなグループです。最も行政の助けが必要な子どもたちではないでしょうか。
 幼稚園や保育園に通っていれば、虐待や医学的な問題があれば、先生が見つけて対応できます。そのセーフティーネットから漏れてしまっている子どもたちが大変心配です。墨田区での無園児の実態について、子育て支援総合センターではどのように把握しているのか伺います。また、何か対策を行っているのかお伺いします。

◎子育て支援総合センター館長(梅原和恵) 
 委員ご指摘のとおり、どこにも通っていない子どもの家庭の理由は様々であると認識しております。現在どこの幼稚園、保育園にも行っていない子どもで、支援の必要のあるご家庭については、医療機関、それから保健センター、子育てひろばなどから子育て支援総合センターに連絡が入り、把握することがございます。
 また、平成26年から全国一律で実施している、居住実態が把握できない児童に関する調査において、就園・未就園にかかわらず、実態が把握できない児童の調査を行って、所在の確認を行っています。
 調査で把握したご家庭の状況によっては、経済的支援が必要であれば生活福祉課へ、また保育園の入園が必要なご家庭については保育園入園手続等の支援を行っております。

◆委員(井上ノエミ) 
 私はこの無園児について、実態をできる限り正確に把握して、適切な支援に結び付けるべきと思います。定年退職した職員が2名いれば、電話や戸別訪問をして、半年ぐらいで実態は分かると思います。是非取組の強化を検討していただきたいと思いますが、ご見解はいかがでしょうか。

◎子育て支援総合センター館長(梅原和恵) 
 未就園児で見守りが必要なご家庭に対しては、要保護児童対策地域協議会のネットワークで把握をして対応しているところではありますが、今後は虐待の未然防止の視点でも更に取組を進めてまいりたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 無園児の数はそれほど多くはないと思いますが、虐待や育児放棄などのハイリスクの子どもたちが多いと思いますので、対応を是非よろしくお願いします。
 次の質問ですが、185ページの新型コロナウイルス感染症対策事業について伺います。
 コロナのワクチン接種ですが、おとといの新聞に医療機関の冷蔵庫が故障してワクチン1,000回分が使用不可能になったとの報道がありました。どのようなワクチンでも低温で保存するコールドチェーンが大変大事です。たとえワクチン接種をしても、ワクチンが適切に保存されていなければ全く効果はありません。特にファイザー社製のワクチンの場合は保存温度がマイナス70度で、通常の冷蔵庫だと5日間で使用不可能になると聞いています。アストラゼネカ社のワクチンだと保存する温度が違います。当面はファイザー社製のワクチンが使用されますから、コールドチェーンの整備がとても重要です。
 そこで伺いますが、冷凍庫などの必要なコールドチェーンの機材は既に購入されているのでしょうか。また、どこに冷凍庫が設置されているのか、現在の墨田区の準備状況について伺います。

◎保健衛生担当参事(岩瀬均) 
 ファイザー社製のワクチンを保管する超低温ディープフリーザーについては、国が全て購入し、配置先に譲渡される仕組みとなっています。本区には17台配置されることになってございます。予定では、既に発表している七つの救急病院に各1台、残りの10台については協力していただける医療機関を、今募っている状況でございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 コールドチェーンではワクチンの保管も大事ですが、運搬するときの温度管理も重要です。春になると気温が上がってきます。また、夏になると30度以上の気温になります。そのような気候でワクチンを配布するのは相当慎重にやる必要があります。
 ミスが起こるとワクチンは全て無駄になります。したがって、この点に関して保健所の職員や医療機関のスタッフにしっかり徹底していただきたいと思います。
 墨田区の保健所は大変しっかりしていますので、大丈夫だと思いますが、分かりやすいマニュアルを使ってスタッフをトレーニングするなど、コールドチェーンの管理について十分な配慮をお願いしたいと思います。現在、何か考えていることがあれば教えてください。

◎保健衛生担当参事(岩瀬均) 
 厚生労働省から各医療機関には既に接種の手引が配布をされておりまして、そこには、今、井上委員がおっしゃったようなワクチン管理の重要性が記載されております。本区としても既に2回にわたって区民接種の説明会をウェブで開催しておりまして、ディープフリーザーの取扱い等も説明しております。
 ご指摘の部分は重要なことと考えていますので、今後も、改めて説明をする機会を設け、しっかりとした管理に努めていただくようにお願いしていきます。

◆委員(井上ノエミ) 
 今回は大変大規模なワクチンの接種事業で、言わば史上最大の作戦だと思います。それだけに詳細な計画が必要です。また、実施するのは現場のスタッフですので、十分なオリエンテーションをよろしくお願いします。
 次の質問ですが、ワクチンの接種には区内の医療機関が指定されています。クラスターの発生しやすい高齢者施設などの場合には、ワクチン接種の医療チームを派遣したほうがよいと思いますが、どう考えているのか教えてください。

◎保健衛生担当参事(岩瀬均) 
 もちろん入所の高齢者施設については、その施設に併設されている診療所の医療スタッフですとか、若しくは巡回診療をしている先生方に接種をお願いしたいと考えております。入所施設の方に外出していただいての接種のようなことは考えておりません。

◆委員(井上ノエミ) 
 現在ほとんどの医療機関では、入り口で体温検査をしています。熱が37度以上の場合、ワクチン接種を受けられないことになるのでしょうか、伺います。

◎保健衛生担当参事(岩瀬均) 
 国から医療機関に配布されております手引書によりますと、明らかに発熱をしている場合、若しくはそのときの体温が37.5度以上ある場合は、接種を避けるようにとのことでございます。したがいまして、仮に37度であっても、平熱ということを申し入れ、医師が発熱ではないと判断すれば接種が可能ということでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 注射器と針ですが、既に届いているのでしょうか。必要な数の確保はできるのか伺います。また、注射器と針だけでも相当の量の医療廃棄物になります。全国で廃棄されますから、処理が大変な状況になると思います。引き受けてくれる業者はあるのでしょうか、お伺いします。

◎保健衛生担当参事(岩瀬均) 
 注射器と針でございますけれども、全て厚労省が、つまり国が用意をいたしますけれども、ワクチンと同時期に届きますので、まだ本区には届いておりません。注射器や針の廃棄につきましては、既に引き受けていただける業者の方を確保できている状況でございますので、廃棄に関する準備は整っているという認識でございます。

○委員長(田中邦友) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。